1. NISAはいつか課税されるという批判に対して
将来的に課税される可能性はゼロではありませんが、現状では非課税の制度であるため、私はこの仕組みを最大限に活用すべきだと考えています。消費税が上がる直前に買い物が殺到するように、ルールが変わる前に現行制度を利用することは、合理的な行動だと思います。
仮に課税が決定されたとしても、多くの場合はその開始時期が事前に発表されます。そのため、非課税のうちに売却できるタイミングは確保できると予想しています。
私にとって投資の目的は、非課税であることそのものではなく、老後や自由のために資産を形成することです。NISAはその手段のひとつであり、非課税口座という便利な器に過ぎません。NISAがなかったとしても、必要があれば特定口座で投資を行っていたと思います。
「もらえるものはもらっておく」という考え方で、将来の不確実性(たとえば金融所得課税の引き上げ)を恐れて、今ある非課税メリットを放棄してしまうのは、大きな機会損失だと感じています。
2. NISAはギャンブルだろうという批判に対して
私は投資とギャンブル(投機)は明確に異なるものだと考えています。ギャンブルは一部の人が勝ち、大多数が負ける「マイナスサムゲーム」ですが、株式投資は企業の業績が上がれば参加者全員が利益を得られる「プラスサムゲーム」です。
もし投資がギャンブルだというならば、銀行や保険会社、そして国民の年金を運用するGPIFもギャンブルをしていることになります。それらの資金は顧客や国民の大切なお金ですので、NISAよりもはるかに大規模かつ影響力のあるものです。
さらに言えば、銀行預金も日本円に集中投資しているという点では「通貨ギャンブル」なのかもしれません。会社に勤めることも未来が読めない点では一種のギャンブルであり、もし人生そのものがギャンブルであるならば、リスクを取ることの何が悪いのでしょうか、と問いかけたくなります。
3. ほったらかして儲かるわけがないという批判に対して
NISAはあくまで「箱」に過ぎず、その中に何を入れるかが投資の成果を左右します。特に、インデックスファンドのように市場全体に連動する商品であれば、長期的な運用によって「ほったらかし」でも成果が出やすいという考え方もあります。
私自身、「ほったらかし投資術」という本を読み、プロの運用に劣らず、かつシンプルで再現性の高い方法として納得しています。
もちろん、未来の経済成長を信じられる人に向いている投資手法です。信じられない方に無理におすすめするつもりはありません。まずは少額から始めて、自分なりに実験してみることをおすすめします。
私にとって少額投資の価値は、目先の利益ではなく、「お金系界隈」という未知の世界に足を踏み入れることそのものにあります。
4. 過去と同じように伸びるとは限らないという批判に対して
未来を完璧に予測することは誰にもできませんが、私たちが判断材料にできるのは「過去の実績」しかありません。過去のデータをもとに行動するのは、ある意味当然のことです。
もし過去の傾向が続かないと強く信じるのであれば、資産の全額を銀行の定期預金に預けるべきだという考え方もあります。しかし、インフレが進んでいる今、現金の価値が減っていくリスクについても無視できません。
多くの国が資本主義経済を採用している現在、長期的に経済が下がり続けるという前提に立つなら、それは資本主義そのものの崩壊を意味します。その場合、NISAどころの話ではなくなります。
5. 富裕層優遇じゃないのかという批判に対して
私の見解では、新NISAはむしろ「富裕層向け」ではありません。資産が数十億、数百億円あるような人にとって、1800万円の非課税枠はあまりにも小さすぎます。
新NISAは、庶民の資産形成を支援するために設けられた制度だと感じています。政府が将来的に金融所得課税を引き上げる方針を持つ中で、1800万円という枠を設けて非課税にするのは、一般庶民への優遇措置・猶予措置のようなものだと捉えています。
6. 少額でやっても意味がないという批判に対して
今は100円から投資が始められる時代です。私自身も月1000円の積立からスタートしました。その経験を通じて、お金の知識が深まり、人生の考え方にも変化がありました。
本当の意味での少額投資の価値は、数字上の利益ではなく、未知の世界に一歩踏み出すことにあると私は感じています。
7. 老後のお金を自分で貯めろということだろうという批判に対して
この批判はその通りだと思います。実際、年金だけで生活するのは将来的にますます厳しくなる可能性が高いです。
今後、所得代替率が61%から50%台、さらには33%程度まで下がる可能性があるという見方もあり、これはNISAとは無関係に存在する社会課題です。
だからこそ、老後のために資産形成をしておく必要があります。そして、課税口座と非課税口座のどちらを使うかを選ぶとすれば、非課税であるNISAを選ばない理由はないと私は思っています。
8. 新NISAを始めるのは今じゃないという批判に対して
株価が高騰している今、「暴落が来るのでは?」という不安はよく分かります。しかし、そのタイミングや規模を正確に予測することは誰にもできません。
NISAの基本は「長期・積立・分散」であり、短期的な価格の上下に左右されずに運用していくことが前提となっています。
歴史を振り返っても、常に「今は高いからやめておけ」と言われ続けてきたにもかかわらず、株式市場は結果的に成長してきました。
「木を植えるのに最適な時期は20年前、次に良いのは今だ」という言葉の通り、今から始めることにも大きな意味があると感じています。
9. 損益通算できないという批判に対して
確かに、NISAでは損益通算ができないのは事実です。しかし、NISAはそもそも「長期・積立・分散」型の資産形成を目的とした制度であり、短期売買を前提とするものではありません。
頻繁に売買して損益通算を活用したい場合は、特定口座のほうが向いていると思います。用途に応じて口座を使い分けるのが適切な考え方です。
NISAで損益通算できないことを理由に批判するのは、洗濯機でお皿を洗って壊れたと文句を言うようなものだと感じています。
10. そうは言ってもなんかやっぱり不安という批判に対して
この気持ちはとてもよく分かります。私自身も、NISAを最初にすすめられたときは半信半疑で、実際にすぐ始めることはできませんでした。
ですが、最終的に納得してから始めたことで、安心して続けることができています。
投資において最も大切なのは、自分自身の「圧倒的納得感」だと私は思っています。他人に言われたから始めるのではなく、自分の中でしっかり納得してから行動することが、長く続けるための鍵だと感じています。
NISAをやるかやらないかは、自分の判断次第です。無理にやる必要はなく、自分が納得できるタイミングで始めることが大切です。
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